2011年4月20日水曜日

FUKUSHIMA 2011--04-20

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● 原発20キロ以内を「警戒区域」へ



 「レベル-7」だと、こういう強権発動が可能になる。


asahi.com 2011年4月20日5時1分
http://www.asahi.com/national/update/0419/TKY201104190620.html

原発20キロ以内を「警戒区域」へ 法的に立ち入り制限

 福島第一原発から半径20キロの避難指示圏について、菅政権が、関係する福島県内の自治体に対し、法的に立ち入りを制限できる「警戒区域」に近く切り替えるとの連絡を始めた。
 避難している住民から防犯上の不安が多く寄せられていることを踏まえ、出入りできなくしたうえで、政府の管理下で「一時帰宅」も認める方向だ。

 政府は原発事故の直後から第一原発の半径20キロ圏内と第二原発の半径10キロ圏内を避難指示圏に設定。
 これを受け、圏内にかかる10市町村の住民7万~8万人は、ほとんどが福島県内外に避難した。

 しかし、避難指示に拘束力はなく、津波で行方不明になった家族を捜す人や家畜の世話をする農家の人たちがたびたび帰宅。
 無人になった民家が空き巣などの被害に遭うケースも続いたため、福島県は先月末、強制力がある警戒区域にするよう政府に求めていた。
 警戒区域になれば、20キロ圏内につながる道路を封鎖するなどして住民の立ち入りを制限し、立ち退きに応じない住民を強制的に退去させられるようになる。

 10市町村のうちの一つ、南相馬市の幹部によると、政府から18日に警戒区域設定に関する準備を求める連絡があった。
 福島県警にも同日、近日中に警戒区域にするとの連絡があり、生活必需品や仕事に必要な道具などを持ち出すことを希望する住民には一時帰宅を認める考えを示したという。

 これを受け、同市は19日、県警とともに、対象区域につながる道路を封鎖する準備を始めたほか、住民にチラシを配って立ち入らないよう呼びかけている。

 避難指示圏内に住んでいた人々の多くは、事故直後に着の身着のままで避難しており、長期化する避難生活に当座の資金難も深刻化。帰宅を求める声が高まっている。

 一方で、東京電力は17日に第一原発の事故収束までには6~9カ月がかかるとの見通しを表明。
 長期にわたって入れなくなる恐れがあることから、政府は警戒区域としたうえで、住民の安全を確保しながら一時帰宅の機会を設ける。

 県警によると、避難指示圏内には200世帯以上が避難せずにとどまっている。
 各自治体職員が自衛隊員とともに見回り、避難するよう説得を続けている。

 政府は11日、20キロ圏外については、約1カ月かけて計画的に避難を求める「計画的避難区域」と、緊急の場合に避難を求める「緊急時避難準備区域」を新たに設けると発表している。

 福山哲郎官房副長官は15日のNHK番組で
 「一家族1人とか、バスでとか、1~2時間の形で一時立ち入りして、大切なものを取りに行っていただく」
と発言。
 帰宅できる人数や時間帯を制限し、自衛隊や警察なども同行させ、防護服や放射線量計も貸し出して一時帰宅を認める考えだ。




毎日.jp 2011年4月20日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110420ddm003040067000c.html

東日本大震災:福島第1原発事故 2号機汚染水、移送開始 6万トン処理、道遠く

 東京電力は19日、福島第1原発2号機のトレンチ(トンネル)などにある高濃度の放射性物質を含む汚染水のうち1万トンを、集中廃棄物処理施設(集中環境施設)へ移送する作業を始めた。
 復旧作業の大きな障害となっている汚染水解消への一歩といえるが、1~3号機だけで6万トンを超える大量の汚染水の処理には、かなりの時間がかかる見通し。
 ロボットによる計測などで、原子炉建屋内の作業環境が厳しいことも判明し、東電が示した原子炉安定化までの工程が予定通り進むのか、不透明な状況が続いている。

 ◇流出防止、冷却装置復旧へ

 福島第1原発で始まった高濃度汚染水の集中廃棄物処理施設への移送作業には、
 「海への流出防止」
 「原発本来の冷却設備の回復」
という、大きく二つの目的がある。

 汚染水は主に1~3号機のタービン建屋などに計約6万7500トンある。
 先月の震災直後から、原子炉や燃料プール冷却のために注入した水が放射性物質で汚染され、破損箇所などから建屋内に漏れ出たとみられる。

 特に原子炉格納容器が破損している可能性が高い2号機では、水表面から出る放射線量が毎時1000ミリシーベルト以上で、通常運転時の炉水の10万倍前後。
 さらに今月上旬には、トレンチや亀裂を通じて高濃度の汚染水が海に流出していることが発覚し、地下に止水材を投入する応急処置を取った。
 その後、トレンチの水位は上昇を続けており、抜本的な対策を取らなければ1カ月ほどであふれ出し、海に流出する可能性もある。

 東電は集中廃棄物処理施設に元々たまっていた低濃度汚染水9070トンを、4月4日から「やむを得ず」海洋放出し、同施設に貯蔵先を確保。
 施設の水漏れ対策工事などを行って約1万トンが保管できるようになり、経済産業省原子力安全・保安院が19日からの高濃度汚染水の移送を認めた。
 保安院の西山英彦審議官も「最近の水位の上昇を考えても、移送はやむを得ないと考えている」と指摘する。

 東電は2号機の汚染水1万トンを同施設に移送。新たな流入がなければ、トレンチの水位が約1メートル下がる見通しだ。
 さらに6月中にも、移送した水を浄化する処理システムを敷地内に構築。放射性物質や塩分の濃度を下げた水を再び原子炉の冷却に用いたり、仮設タンクやメガフロート(収容量1万トン)に再移送して保管する。
 この手順を繰り返しながら、少しずつ高濃度汚染水を減らしていく。

 東電は、原子炉が安定した状態になるまで、6~9カ月かかるとする工程表を17日に発表。
 「3カ月をめどに原子炉の熱交換機能の回復も検討する」
とした。
 汚染水を抜き取った後は作業員が建屋の中に入り、本来備わっている原子炉冷却装置の復旧を目指すが、具体的な時期は示せていない。

 ◇高温多湿で作業難航

 ロボットによる計測などで1~4号機の原子炉建屋内の環境は、極めて厳しいことが判明した。
 放射線量が毎時4~57ミリシーベルトに達し、内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長は18日の会見で、
 「正直ギョッとする数値。そこに行ってぜひ作業してくださいと非常に申し上げにくい」
と話した。

 ●高線量の壁も

 通常、原発作業者の緊急時の被ばく上限は累積100ミリシーベルトだが、今回の事故に対応する作業員に限り、上限が250ミリシーベルトまで引き上げられた。
 それでも、線量が高い3号機では、わずか4時間半で上限を超える。
 最も低い2号機も、計測できたのは建屋入り口付近だけ。
 格納容器が壊れ、高濃度汚染水が漏れているとみられるため、内部はより高線量の可能性がある。

 日本原子力研究開発機構客員研究員の柴田徳思・東大名誉教授(原子核物理、放射線安全対策)は
 「原子炉の構造を熟知していれば短時間で終わる作業も、不慣れな作業員では時間がかかり、余計な線量を浴びる恐れもある」
と指摘する。

 さらに、放射性物質が入り込まないように目張りした防護服に身を包んでの作業は、暑さとの戦いにもなる。
 能勢博・信州大教授(運動生理学)によると、人が体温を下げるには、汗をかくか、表皮(33度程度)と外気の温度差を利用して熱を放散する。
 湿度が高いと発汗が難しくなり、外気温が高ければ熱放散もできない。
 また疲労や脱水状態での作業は、より危険だ。

 能勢教授は
 「詳細な作業環境が分からないが、階段を上り下りする程度の、ややきついと感じる作業をする場合、温度や湿度が高い1号機で30分、2号機は15~20分が限度だろう。
 3号機は1時間以上、作業できそうだ。
 1、2号機は頻繁に作業員を交代させるほか、事前の健康チェックを徹底することが必要だ」
と話す。

 ●ロボット限界

 厳しい環境下での作業の見通しについて、柴田名誉教授は
 「収束までには大量のマンパワーが必要になるだろう。
 遠隔操作ロボットによる作業には限界もあり、(東電が発表した)工程表通りに進むかは、汚染源を早く除去し線量を下げられるかにかかっている」
と、懸念を示している。




毎日.jp 2011年4月20日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110420dde001040026000c.html

東日本大震災:福島第1原発事故 汚染水、再漏出防止へ 移送先入り口にコンクリート

 東京電力は、福島第1原発2号機にある高濃度の放射性物質を含む汚染水を収容する集中廃棄物処理施設(集中環境施設)の出入り口シャッターなどを、コンクリートでふさぐ工事に近く着手する。
 最大でマグニチュード8級とされる東日本大震災の余震に伴う津波が発生しても、同施設から汚染水が漏れ出さないための対策だ。

 汚染水の移送は19日に始まった。
 2号機のタービン建屋やトレンチ(トンネル)にある汚染水(計約2万5000トン)のうち1万トンを、約1カ月かけて同施設に移送し、地下2階に収容する。
 津波による浸水が起きれば、水表面で毎時1000ミリシーベルト以上という高線量の汚染水が、海など環境中に漏れてしまう恐れがある。
 同原発は東日本大震災による津波(推定約14メートル)で原子炉建屋などほぼすべての主要施設が4~5メートル浸水した。

 東電は、原子炉建屋などの地上の入り口も同様に、コンクリートで固めることを検討している。





== 東日本大震災 == 



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