2011年4月24日日曜日

「所有」を放棄するという選択

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● ソフトバンクの孫社長。「iPhone 3G」の発表イベントで。




INSIGHT NOW 2011年4月24日 11:41
http://www.insightnow.jp/article/6494

孫社長が総理大臣になればいい』がマジで語られつつある背景!
中村 修治

 阪神淡路大震災が起きたのは1995年1月17日午前5時46分。
 その後に集まった義援金の総額は、1,791億円と発表されている。
 この数字は、1999年6月末日現在の報告だから、その額に到達するまで4年半を要したことになる。

 東日本大震災が起きたのは2011年3月11日午後2時46分。
 それから1ヶ月後の4月初旬には義援金の総額が1千億円を優に突破。
 1,400億円に達したというニュースが流れた。猛烈なスピードで義援金が集まっている。

 法人の義援金額上位を見てみると・・・「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの14億円(柳井代表が10億円、会社として4億円)がトップ。
 次に日亜化学工業の10億円。
 3位にジャパネットたかた、ゴールドマン・サックス、三菱電機、三菱重工4社が5億円で並ぶ。
 そして、今回、話題をかっさらったのがソフトバンクの孫正義社長個人で100億円を寄付するというニュース。
 法人だけではなく、社会的リソースを過剰に有している人達の支援の動きもすこぶる早い。
 コンビニや流通の店頭に置いてある義援金を募る箱には、瞬く間に、お金が貯まっていく。
 今回の災害の大きさに比例しているだけと言われればそうなのだが・・・
 この感じは、16年前の阪神淡路大震災の時とは違う。
 「お金」に対する価値の転換が起こっている。

 大惨事のニュースが世界を駆け巡るスピードは、きっと津波より速い。
 そして、義援金にまつわる情報も、本人の思惑以上に世界に拡散する。
 「善意の競争」は、義援金が集まるスピードを加速させる。
 国境を越えた「贈与」の経済が動き出しているのだ。きっと。

 日本では、若者達の「お金」への執着が希薄になったという話題に事欠かない。
 年収300万円以下でも暮らせるダウンサイジングの生きる術を身につけだした。
 産業革命で起こったような需要の創造が、もう起きないだろうことをみんなが気づき始めた結果である。
 地震や津波で、数十年働いて手に入れた財産が、いとも簡単に消失する映像を目の当たりにして、「家を買うこと」が人生の最終ゴールなんて言う考え方にも、大きな変化が起きているはずである。

 消費が全てではない。
 資本主義の勝者である経営者の多くは、銀座や六本木での豪遊を目標だとは決して言わなくなった。
 それをやったところで、ネットで叩かれ、マスコミに追いかけられて、ろくなコトはない。
 では、儲けたお金をどこで使うのか。
 何の目的に使用するのか
 今回の大震災の後に起こっているような「善意の競争」である。

 消費大国・日本は、どこの国よりも早く
 成熟社会を突き進み、そして陰りを見せ始めた。
 その真っ只中に、大震災は起こった。
 そこで起こっている「所有」を放棄するという合理的選択。
 建設的な「贈与」は、新しいフロンティアである
 「納税」という形では、政府は、それを何に使うか心許ない。
 「金融投資」では、結局、経済合理に絡め取られていく。
 今回の震災のように、目の前に「困っている人や地域がある」と「贈与」は、かたちになりやすい。
 みんなが「公」に心も財布を開いていくチャンスであるはずである・・・。


 このかたの発想、面白い。
 この記事後半がある。
 が、である。
<<ここから先は、INSIGHT NOW!読者ユーザの方だけがご覧いただけます。>> 
 となる。
 つまり、所有の放棄、建設的な「贈与」は新しいフロンティアである、
といった発想自体はまったく生かされていない。
 まあ、こんなもんでしょ。
 でも、この説すばらしいです。



朝鮮日報  2011/04/24 12:00:57
http://www.chosunonline.com/news/20110424000025

【コラム】孫正義が日本の首相になる日

 日本で発生した地震と津波による悲劇は、逆説的ではあるが孫正義(ソフトバンク社長)という新たなスターを生んだ。
 メディアさえも十分に実像を伝えない日本独特の「沈黙カルテル」の中で、孫氏は直接的な表現で堂々と政府の無能さを指摘し、官僚主義を攻撃した。
 さまざまな壁に立ち向かう孫氏の姿に、日本の国民は熱狂した。

 これまでの孫氏は、IT革命の先頭に立つビジネスリーダーにすぎなかった。
 だが今回の震災を通じ、孫氏は世間の関心事を主導する社会的リーダーとして生まれ変わった。
 孫氏は、行政上の都合ばかりを優先する官僚を「バカ」と容赦なく攻撃し、国民の怒りをそのまま代弁した。
 孫氏が個人資産100億円を寄付すると発表すると、インターネットでは
 「孫正義を首相に!」
という日本人の書き込みが相次いだ。

 数日前にソウルを訪れた日本人の教授は「孫正義氏の人気はすごい」と話した。
 「真のリーダーの不在」
という危機に直面している日本には、孫氏のように従来の秩序にとらわれない革新的なリーダーが必要だ。
 それは、孫氏が韓国系であることを知っているわれわれにとっても、非常に気分のいいニュースだ。

 だが、現実的に考えて「孫正義首相」というのは空想の話にすぎない。
 本人に政界進出の意思があるかどうかは別として、日本の政治・社会の構造を考えれば無理なことなのだ。
 日本は世界でもまれに見る閉鎖社会だ。
 グローバル時代になっても「純血主義」にこだわる日本社会が、韓国系の人間に権力を譲るなど、想像することさえ困難だ。

 在日韓国人に対する日本社会の拒否反応は、想像以上に根強いものがある。
 孫氏も幼少時代、石を投げられるなどして差別を受けた記憶があるという。
 在日3世の孫氏は、35歳で日本国籍を取得するまで韓国国籍を保有し、現在でも韓国の姓を名乗り続けている。

 日本での韓国系の活躍は、今に始まったことではない。
 かつては力道山や張本勲(韓国名・張勲〈チャン・フン〉)などの英雄がスポーツ界で活躍した。
 現在でもロッテグループ会長の重光武雄氏(韓国名・.辛格浩〈シン・ギョクホ〉)や「パチンコ王」ことマルハン会長の韓昌祐(ハン・チャンウ)氏、東京大教授の姜尚中(カン・サンジュン)氏、作家の柳美里氏など、多くの韓国系が日本でが活躍している。
 芸能界やスポーツ界は、韓国系の活躍がなければ成り立たないといわれるほどだ。

 だが、実力以上に家柄や出身地などが重要な政界だけは、韓国系の進出の道がぴたりと閉ざされている。
 唯一の例外は、1990年代に活躍した在日韓国人2世の故・新井将敬氏ぐらいだ。
 新井氏は政治家として将来を期待されていたが、選挙のたびに「朝鮮人」と中傷され続けた。
 新井氏は結局、違法な株取引をめぐる捜査中に自殺するという悲劇的な結末を選択した。
 まだまだ働き盛りの50歳だった。

 日本の政治は、派閥の力学によって舞台裏で権力が決まるシステムだ。
 国民からどんなに強く支持されても、多数派から推薦されなければ首相になることはできない。
 孫氏のように政界以外で権力を築き上げてきた外部の人間は、入り込む余地がないのだ。
 孫氏本人が政治に関心を示したことは一度もない。
 ただ、孫氏の目標がカネではないことは明らかなようだ。
 孫氏は4年前、記者とのインタビューで「
 富は道具にすぎない」
と話していた。

 孫氏がロールモデルとしている人物は、江戸時代末期の革命家、坂本竜馬(1836-67)だ。
 竜馬に魅了された理由について、孫氏は
 「理想のために命をささげ、革命を起こしたから」
と語った。
 53歳の孫氏はすでに、日本で最高の資産家となった。
 今や孫氏の視線はビジネスの枠を超え、日本社会の変革を見据えているようだ。

 米国では黒人の大統領が誕生した。
 日本ではいつごろ韓国系の首相が誕生するだろうか。
 今の日本はこの質問に対する答えを出せない。
 このため、日本が「真のリーダー不在」という危機を克服する日は、遠い先のことにしか思えない。

 
 「孫正義が首相に」というのは思ってもみなかった。
 東京都知事は彼で決まっていたのだが、結局出馬せず、我欲老人が居座ってしまった。
 台湾系日本人の蓮舫が知事選ヘ出馬するとかしないというのもあったが。
 ところで、将来、日系韓国人が勧告の大統領になれる可能性はあるのだろうか。
 あるいはその下で、ソウル知事になれる可能性は。
 難しいところだが。



INTERNATINALBUSINESS TIME 2011年4月21日 04時27分 更新
http://jp.ibtimes.com/articles/17843/20110420/506367.htm

ソフトバンクの孫社長、脱・原発のため「自然エネルギー財団」を設立へ

 ソフトバンクの孫正義社長は20日、脱・原発を推進するため、科学的知見に基づき提案をしていく「自然エネルギー財団」を設立すると発表した。


ソフトバンクの孫社長。「iPhone 3G」の発表イベントで。

 民主党の東日本大震災復興ビジョンチームの会合に出席した孫氏は、「自然エネルギー財団」を通して、「原発をやめろ」と言うばかりでなく、現実的な代替手段を示したいと述べた。
 同財団を数か月以内に設立し、ソフトバンク社長としてではなく、孫氏個人として、10億円程度を寄付するという。

 孫氏はすでに、東日本大震災の被災者支援のため、個人として100億円を寄付すると発表していたが、本件とその寄付とは別のものだと述べた。

 自然エネルギー財団では、世界トップレベルの科学者100人を呼び集め、研究成果を発表したり、日本への政策提言をすることなどを考えているという。

 脱・原発の具体的な例として、孫氏は「東日本ソーラーベルト構想」を挙げた。
 東日本大震災で津波により潮をかぶった農地は、塩害のため10年間ほど農地として使えない。
 しかし、その土地を政府主導で、太陽光発電などを行う「ソーラーベルト」として利用したらどうかという提案だ。

 孫氏の提案は、太陽光のほか風力や地熱など様々な自然エネルギーを利用した発電を行うというもの。
 孫氏は「世界最大のソーラーベルトを作ろう。
 希望あふれるビジョンを作ろう」と語った。




== 東日本大震災 == 



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