2011年4月23日土曜日

首都圏地盤に圧力、M7級誘発も

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● 東京大地震研究所



YOMIURI ONLINE 2011年4月23日05時37分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110422-OYT1T00974.htm?from=top

首都圏地盤に力、南関東のM7級誘発も…東大研

 東日本大震災で起きた地殻変動の影響で、
 首都圏の地盤に力が加わり、地震が起きやすい状態になっている
との解析結果を、東京大地震研究所のグループが22日、発表した。

 解析結果は、大震災後に発生した地震の分布ともほぼ一致している。
 同研究所では、国の地震調査委員会が
 今後30年間に70%の確率で起きると予測しているマグニチュード7級
南関東の地震が誘発される可能性があるとして、注意を呼びかけている。

 同研究所の石辺岳男・特任研究員らは、首都圏で過去24年間に起きた約3万の地震で破壊された領域が、大震災でどのような影響を受けたかを解析。
 地震が起きやすくなる力が働く領域は約1万7000で、起きにくくなる領域の約7000よりも多いことが分かった。
 震源が30キロよりも浅い地震は静岡県東部から神奈川県西部で、30キロよりも深い地震は茨城県南西部、東京湾北部で起きやすくなっていることが判明した。


 まだまだ、地面は揺れている。
 揺れが続けば続くほど、地盤が緩んでくる。
 思いがけないところで思いがけない断層のズレが発生する。


NHKニュース 2011年4月23日 0時49分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110423/t10015501421000.html

福島県で震度5弱 津波心配なし



 23日午前0時25分ごろ、福島県沖を震源とする地震があり、福島県広野町で震度5弱の強い揺れを観測しました。
 この地震による津波の心配はありません。
 震度5弱を観測したのは、福島県広野町で、震度4の揺れを福島県郡山市、相馬市、仙台市青葉区、それに山形県上山市などで観測しました。
 このほか、東北と関東、北陸などの各地で震度3から1の揺れを観測しました。
 気象庁の観測によりますと、震源地は福島県沖で震源の深さは20キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.6と推定されています。
 東北と関東の太平洋沿岸では、先月の巨大地震の余震が相次いでいます。
 気象庁は、強い揺れの余震に注意するよう呼びかけています。




毎日.jp 2011年4月23日 2時30分 
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110423k0000m040150000c.html

東日本大震災:老朽ダム亀裂で決壊か 死者不明8人 福島


● 藤沼湖

 東日本大震災で決壊した福島県須賀川市の藤沼湖は、震度6弱近い揺れで、盛り土でできたダム(高さ約17.5メートル)に亀裂が生じ、決壊につながった可能性のあることが、福島大などの現地調査で分かった。
 高さ15メートルを超すダムが地震で決壊したのは、1854年の安政南海地震で満濃池(香川県)が破堤して以来とみられる。
 藤沼湖は1957年のダムの設計基準制定以前に建設されており、専門家は老朽化したダムを中心に耐震性を再点検する必要性があると指摘する。

 藤沼湖は貯水容量約150万トンのかんがい用ダム湖で、1949年に建設された。「アースフィルダム」と呼ばれる台形状に盛り土をしたダムで、地元の江花川沿岸土地改良区が管理する。
 3月11日の地震直後に決壊し、湖水がほぼすべて流出。
 下流で8人の死者・行方不明者が出た。

 調査した川越清樹・福島大准教授(流域環境システム)によると、湖北東部の堤の長さ約130メートルのダムがほぼ全域で決壊していた。
 川下に向けて右岸の土がすべて流出しており、右岸から決壊が始まったとみられるという。
 「下流の集落では地震が終わってすぐに水が流れて来たという証言がある。
 巨大地震の強く長い揺れで亀裂が入って水が噴き出し、ダムが負荷に耐えられなくなったのではないか」
と指摘。
 同様に盛り土で造った近くの羽鳥ダムでも地震後に亀裂が見つかった。
 田植え前で湖水位が高かったことも要因の一つと考えられるという。

 多くのダム建設に携わった芝浦工大の岡本敏郎教授(地盤工学)は決壊のメカニズムについて
 「地震でダムの堤体に滑ろうとする力が加わり、高さが下がった。
 そこに亀裂が生じてさらに水圧への抵抗力が減り、決壊に至ったのではないか」
と補足する。
 岡本教授は
 「今回の地震で設計時に想定した以上の地震に耐えたダムが多くあるのも事実だ。
 特に古いダムについては、通常の耐震性以外にも固有の弱点がないか、細かく早急に点検をすべきだ」
と指摘する。





[◆ その後]


JCASTニュ-ス 2011/4/26 11:00
http://www.j-cast.com/2011/04/26093577.html

首都圏でも直下型地震? 警戒時期に入ったのか

 東日本を中心に余震がいまも頻発している中で、首都圏でも大規模な地震が起きる可能性を指摘する専門家もいる。
 M7.3規模の地震が東京で起きた場合のシミュレーションでは、1万1000人の死者、21万人の負傷者を想定している。

 三陸沖を震源とする東日本大震から2011年4月25日で1か月以上が経つが、
 M5.0以上の余震は400回以上
を記録している。
 3月12日は長野県北部でM6.7、3月15日は静岡県東部でM6.4、4月11日は福島県浜通りでM7.0など、本震から離れた場所でも大規模な地震が起きた。
 4 月21日にはM6.0の地震が千葉県東方沖であった。

余震以外での大規模地震「否定できない」

 気象庁は、茨城県南部で4月16日に起きたM5.9の地震について、
 「余震域から外れている」
とし、余震以外での大規模地震の可能性
 「否定できない」
とした。
 本震により地殻が動いたことから、新たな余震を誘発している可能性も指摘されている。

そうした中で、首都圏における大規模な地震への警戒も出始めている。「週刊朝日」(4月29日号)では「首都圏直下大地震の戦慄」と題した記事を掲載した。故・溝上恵東京大学名誉教授(享年73歳)が生前に指摘してきた、茨城県沖、茨城県南部での地震の多発からの首都圏直下型地震がくる可能性を検証している。

 八木勇治筑波大学准教授(地震学)は4月19日放送のTBS系情報番組「ひるおび!」に出演した際、 
 「(本震の)震源域とは違う領域でも地震が発生している。
 震源域があまりにも広いために、広範囲で誘発される地震が起きている。
 そういった意味で、東京も例外ではないかもしれない」
と話した。

 また、かつて直下型地震の被害想定について取材経験のある経済学者・池田信夫氏もブログ(4月2日付)で、「東京に地震が来たら」と題した記事を公開。
 地震が起きた場合の問題点を指摘する中で、
 「東京は直下型地震を警戒する時期に入ったと思う」
と警鐘を鳴らしている。

「東京は火災リスクが非常に高い」

 首都圏で直下型の地震が起きた場合のシミュレーションもある
 2005年に中央防災会議・首都直下地震対策専門調査会が発表した「首都直下地震の被害想定」によると、震源地を東京湾北部するマグニチュード7.3(冬夕方18時)とした場合、死者1万1000人、負傷者21万人と試算されている。
 揺れによる建物全壊が15万棟、火災による消失は65万棟。
 首都の経済中枢機能や交通ネットワーク機能への支障が出て、
 経済被害は実に約112兆円
にものぼるという。

 防災に詳しい東京大学・廣井悠助教(都市工学専攻)は
 「東京は火災リスクが非常に高いと言える。
 震災が起きたときには、消防が不足する可能性も考えられる。
 地震で出火点が多くなると、消防車が現場に向かえないケースも出る」
と言う。
 ちなみに、火災については初期消火が非常に大切で、火が燃え盛った場合は逃げるしかない。

 また、シミュレーションではM7.3の地震が前提だが、東日本大震災を踏まえ、M9.0レベルの地震を想定した方がいいのではないか。
 これについて廣井氏は、次のように指摘する。
 「シミュレーションには2つの観点
 ――地震の規模や場所の想定、そして
 地震が起きた後にどういう被害が起こるかの想定――
がある。
 規模等についてはたしかに再考の余地があるかもしれないが、東京で大地震が起きた場合の被害は想定されているだけでも大きな数値。
 大事なのは、どうやって想定されている被害を最小化させるか(リスクコントロール)、もう一つは想定以上の災害が起きた場合にどう対応するかだ。
 たとえば、地震で東京行政が機能不全に陥ったとしたら
 その時にどうするのか。
 現段階で想定される被害以上のことが起きた場合を考えておく余地はあるだろう」





== 東日本大震災 == 



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