2011年4月20日水曜日

投資がメイン、生産はサブ

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● 中日新聞より


 
 私は経済については疎い。
 株もやっていなければ、為替もやっていない。
 つまり、お金儲けには無縁のタイプ。
 金融とか経済とかには一歩距離をおいている。
 よって知識は常識の範囲程度。


中日新聞 2011年4月20日 14時31分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011042090143050.html

貿易黒字78%減 震災で3月、輸出16カ月ぶり減少

 財務省が20日発表した3月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は前年同月比78・9%減の1965億円となり、貿易黒字が大きく縮小した。
3月11日に発生した東日本大震災の影響で製造業の生産が停滞し、輸出額が16カ月ぶりに減ったことが響いた。

 輸出総額は2・2%減の5兆8660億円。
上旬分(1~10日)は14・8%増の2兆975億円だったが、震災が起きた11日以降の中下旬分で一転して9・7%減の3兆7684億円となり、震災の影響がもろに表れた。

 輸出品目では、自動車の落ち込みが特に顕著。半導体やパソコン関連部品の生産停滞も影を落とした。
 地域別ではアジア向け輸出が17カ月ぶりに減少に転じた。

 輸入総額は11・9%増の5兆6695億円と15カ月連続で増加した。
 高騰する原油や鉄鉱石の輸入が増えた。
 その結果、貿易収支は2カ月連続で黒字を確保したが、その額は大幅に減った。

 20日に発表した2010年度の貿易収支は、前年度比3・9%増の5兆3917億円となり2年連続で黒字を維持した。
 輸出は14・9%増の67兆7964億円、輸入は15・9%増の62兆4047億円だった。




ロイター 2011年 04月 19日 16:33 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20700320110419

インタビュー:日本の成長率見通し引き下げの可能性=ADB

[東京 19日 ロイター] アジア開発銀行(ADB)のチーフエコノミスト、Changyong Rhee氏は19日、ADBが1.5%としている日本の今年の成長率見通しを若干引き下げる可能性があると指摘した。
 ただ、マイナス成長は考えにくいという。
 ロイターのインタビューで明らかにした。

 同氏は
 「マイナス成長になると予測する理由はない
 サプライチェーンの問題は、当初考えたほど深刻ではないと思う。
 一方、電力不足はより深刻な問題になっている。
 予想の数字を若干調整しなければならないかもしれないが、マイナスとはならないだろう」
と述べた。 

 ADBが3月11日の震災から1週間後にまとめた日本の成長率見通しは、大半の民間アナリストの予想よりも楽観的な数字となっている。

 Rhee氏は、復興活動による成長率の押し上げ効果は、最大でも国内総生産(GDP)のわずか4─5%にとどまり、震災被害と比較した場合大した規模ではない、との見方を示した。

 アジア諸国への影響について聞かれた際、日本の地震や津波、原子力発電所の事故による影響がアジア他国へ深刻な影響を及ぼす兆候はほとんどみられない、と述べた。

 ただ、個別企業は、日本からの輸入品不足により既に影響を受けている可能性があると指摘。
 「最終財を製造する多くの韓国企業は、部品や中間財を日本からの輸入にかなり頼っている。
 サプライチェーンの寸断が予想以上に長引くことを、企業は心配している」
と述べた。

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国の格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げたことについては、引き下げは予想されており、米国債を保有するアジア各国にとっては衝撃ではない、との考えを示した。 

 為替については、20カ国・地域(G20)会合で、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨に人民元を加えるかを議論することで、 人民元改革に弾みがつくかどうかは予測が難しいとし、資本市場の開放などSDRの構成通貨となるための前提条件を中国が受け入れるかどうかが不明だ、と述 べた。

 円高抑制に向けた主要7カ国(G7)による先月の協調介入については「G7ではなく、G20による介入のほうが好ましかった。
 為替相場に関しては、今やG20で議論されており、多くの先進国は新興市場国の非協力的な姿勢を指摘する。
 G20による協調介入はお互いの信頼を築く良い機会だった」と述べた。


 今年の日本の成長率は「マイナスにはならない」という。
 どうしてなのか、よくわからないのだが。
 ではマイナスになるときはどういうときだろう。
 投資家がお金を引き上げた時らしい。
 つまりエコノミストたちは、生産そのものよりも、投機のお金の動きに神経を尖らせており、その基礎になる生産ということは、従つまり副次的なもののように見ているようだ。
 つまり、投資がメインで、生産はサブだということのようである。


ロイター 2011年 04月 19日 20:27 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20704020110419

日銀、展望リポートで11年度GDP見通しを大幅下方修正

 [東京 19日 ロイター] 
 日銀は28日に公表する「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で
 2011年度の実質国内総生産(GDP)成長率
を従来の前年度比1.6%から大幅に下方修正する見通し。

 東日本大震災によるサプライチェーン(供給体制)の寸断や電力供給不足に伴う生産低下などが要因。
 その後は、供給制約の解消とともに、2012年度にかけて
 景気は緩やかに回復していくシナリオを描く。
 消費者物価指数については、原油価格など国際商品市況の高騰を反映し、前年度比プラス0.3%の従来見通しを若干引き上げる可能性がある。 

 日銀は4月と10月に展望リポートを公表し、向こう2年間の実質GDPや消費者物価指数(除く生鮮食品)の見通しを示しており、それぞれ3カ月後の7月と1月に見直している。
 今月6─7日の金融政策決定会合で、日銀は震災を受けて景気判断を下方修正。
 日本経済は「当面、生産面を中心に下押し圧力の強い状態が続く」とし、その後は供給面での制約の和らぎにつれて「緩やかな回復経路に復していく」との見方を示している。
 28日は、この判断をベースにどのようなGDPとCPIなどの予測値を公表するかが注目される。 

  <基準改定後も消費者物価はプラス基調維持の声> 

 11年度のGDP成長率について、民間エコノミストの集計値は0.44%となっており(社団法人経済企画協会が8日公表)、日銀は今年後半の強めの回復を想定しているとみられ、これよりも強めの数値となる可能性がある。
 ただ、4─6月に大きく落ち込むとみられるGDPが、7─9月にどの程度回復するかについては、夏場の電力需給の影響や部品供給体制の回復度合いなど不確実性が多く、今後議論を詰める。
 11年度の成長率が落ち込む反動と供給制約の解消に伴う需要の顕在化などを背景に、
 12年度については前年度プラス2.0%との従来予想を引き上げる可能性がある。

 物価については、震災の影響は
 「供給力が低下すると同時に、需要も減少しているため、足元の需給ギャップについて正確に捉えることは、なかなか難しい」(7日定例会見での白川方明総裁)状況。
 ただ、原油を中心に商品価格の高騰が徐々に浸透しつつあるとみている。
 8月に予定されている消費者物価指数の基準改定は0.5ポイント程度の押し下げ要因となるとの見方が市場では多いが、緩やかな物価上昇が続けば、改定の影響を加味しても2011年度末までにプラス基調が確認できるとの見通しも日銀内にはあるようだ。 

 もっとも、原油を中心とした国際商品市況高がCPIの上昇圧力を強めている中で、市場に早期の出口戦略の思惑が広がらないよう、日銀では超緩和政策の継続方針をあらてめて強調する方針。
 こうした中で、金融政策運営については、震災直後に開催した金融政策決定会合でリスク性資産を含む多様な資産を買い入れる基金の増額に踏み切っており、
 「当面は、これらの措置が経済に対してどのような影響を及ぼしていくのか、しっかり点検していくべき段階」(白川総裁)
として28日の会合で現状維持を決定する見通し。
 日銀では引き続き、慎重に経済・物価情勢を点検し、現在の供給ショックが、本格的な需要の縮小につながるリスクが拡大すれば、政策対応を検討する構えだ。


 「供給制約の解消とともに、2012年度にかけて景気は緩やかに回復していくシナリオを描く。」
 そんな甘いもんなのだろうか。
 根本的なものが変わろうとしている。
 上面の泡の状態ばかりを探っており、基本的なものを見ていないというのが経済アナリストという連中の頭の構造のように思えてならない。
 今回のことはまずなによりも
 「成長が止まる
ということではないだろうか。
 パワーが失われれば必然的にそうならざるを得ないのではないか。
 「マイナス成長はない」とか、「景気は緩やかに回復していく」といった発想が、いったいどこから湧いてくるのだろう。
 これ常人の考えることではないように思えてならないのだが。
 エコノミストというのは、隠し玉とか埋蔵金とか持っているのだろうか。

 

ロイター 2011年 04月 19日 19:10 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20702320110419

今夏の電力不足で産業部門の節電が難航、経済への打撃に懸念

 [東京 19日 ロイター] 東京電力と東北電力管内の今夏の電力不足に備えた企業の節電対策の調整が本格化している。
 夏休みの長期化やサマータイム導入などオフィス部門の対策が相次ぎ明らかになっているが、工場電力など産業部門の需要抑制策の策定が一部で難航している。

 専門家からは、経済への打撃を懸念する声が強まっており、今月末に向けた政府の電力需給対策の取りまとめは一段と難しいものになりそうだ。 

  <東電の供給力積み増しは限界か> 

 東電は15日、電力供給力は7月末で最大5200万キロワットになると発表した。
 震災で停止した火力発電所の追加や、これまで想定に織り込むのを見送っていた揚水発電の追加で、従来の4650万キロワットから上方修正した。
 東電はさらなる上積みが可能かどうかを今週末までに政府に報告する予定で、海江田万里経済産業相は15日夜
 「出てきた数字をみてから需要量の抑制策の見直しを考えたい」
と述べ、4月末までに策定する需給対策を見直す可能性を示唆した。  

 ただ、東電が夏の供給力をもう一段積み増せるかどうかについては
 「もはや自社内の発電設備は出尽くしたのでは」(シンクタンク)
との見方が強い。
 8月に入ると柏崎刈羽原子力発電所で1号機と7号機が相次ぎ定期点検に入るため、同月末の供給力は再び5070万キロワットまで下がる。
 震災で停止した火力発電所で残されているのは広野火力発電所(出力380万キロワット)だが、福島第1原発の屋内退避圏内で、夏までの再稼動は難しいとの見方が多い。 

 夏の需要面について東電は、企業や家庭の節電を織り込んで5500万キロワットと想定するが、政府としては
 「目標は前年比で考えているため、(猛暑だった)前年ピークの6000万キロワットを想定せざるを得ない」(経済産業省幹部)
との立場だ。
 東電は、設置が比較的容易なガスタービンなど小型電源の追加を急ぐ構えだが、8月末の供給力が5070万キロワットから大幅に上積みできなければ、政府が想定する
 「1000万キロワット程度の需要抑制」
の従来目標を大きく縮小させるのは難しそうだ。 

  <半導体の生産減で8000億円超のマイナス> 

 すでに産業界では「1000万キロワット程度の需要抑制」を念頭に、製造業を中心に前年比25%の最大使用電力の削減に向けて動き出しており、日本経団連は20日までに加盟企業・団体の節電計画の提出を求めている。
 ソニーは、2週間程度の夏休みを設けるほか、勤務時間を前倒しする「サマータイム」でオフィスビルの節電を講じることを検討。
 東芝は、東電と東北電力管内の事業所を3グループに分け、1―2週間の夏休みを順番に取得することで、夏の稼働を3分の2にすることで調整に入った。 

 だが、すべての企業の節電対策が順調とは言えない。
 電子情報技術産業協会(JEITA)は
 「夏場の電力抑制で半導体の供給が不安定になる可能性がある」(半導体部会)
との見解をまとめた。
 24時間稼働が前提の半導体工場は、クリーンルームや空調・水などインフラ設備に大量の電力を使うため、25%の電力抑制でも稼働率は50%以下まで落ちるという。
 半導体産業研究所の試算によると、今年7―9月の3カ月間に、東電と東北電の管内にある工場の使用電力が7割に減った場合の半導体の減収額は1265―1898億円で、サプライチェーン全体には最大8109億円のマイナスの影響が波及する可能性があるとしている。 

 半導体大手のルネサスエレクトロニクスで3月11日以降、主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産が停止していることが自動車やエレクトロニクス製品の生産に影響を与えているとみられているが、生産を再開した山形工場(鶴岡市)のほか、高崎工場(群馬県高崎市)と山梨工場(甲斐市)でも稼働率が落ち込む懸念が出てきた。
 高崎・山梨の2工場は、3月14日の東電の計画停電開始を受けて工場を停止し、東電が計画停電を原則実施しないと表明した今月8日から通常稼働に戻ったばかりだが、夏の節電で再び生産減に陥る可能性が出てきている。 

  <自動車・通信も節電に苦慮> 

 日本経団連が15日に開催した企業の節電対策に関する説明会で日本自動車工業会は、自動車だけでなく電機や鉄鋼など他業界を巻き込んで、休日をずらして取得する「業界輪番」の導入を提案した。
 ただ、他業界の反応は鈍く
 「電源を切るのに1週間、立ち上げるのに1週間もの時間がかかる。
 半導体の工場は輪番操業には馴染まない」(JEITA半導体部会)
との指摘が出ている。 

 自動車業界内でも対策作りは難航しているようだ。
 ホンダの片山行執行役員埼玉製作所長は、最大電力使用量の25%抑制について「難しい目標値だ。非常にハードルが高い」と語った。

 NTT もピーク電力の抑制に苦慮している。
 グループの使用電力の85%を通信設備が占めるが、通信設備の消費電力はトラフィックの増減に関わらず一定量で変化がないため、特定時間の電話利用を控えるよう呼びかけるといった対策では節電効果がない。
 従来まで計画停電には
 「携帯の基地局や固定の局舎のバッテリーは3時間くらいまでなら持つ」(三浦惺社長)
と寛容だったが、ピーク電力の抑制には「妙案がなかなか出てこない」(広報)のが実態だ。 

  <東電・東北電管内の空洞化も> 

 24時間稼働が前提の液晶パネル工場も半導体と事情は同じだが、すでに日立製作所は、中小型液晶パネル製造子会社の日立ディスプレイズの茂原工場(千葉県茂原市)の生産減に備えて台湾の奇美電子(チーメイ・イノラックス)への生産委託を拡大することを決めた。
 節電による液晶パネル生産の減少分は台湾への外部発注でカバーする。 

 一橋大学大学院の橘川武郎教授は
 「電力25%抑制では、大規模停電が避けられたとしても産業の競争力が落ちる。
 半導体や液晶は東日本ではもう作れないという話になりかねない。
 停電よりも、空洞化や経済に与える打撃の方が深刻かもしれない」
との懸念を示す。 

 日本総合研究所の松井英章・主任研究員は
 「節電が比較的容易な業種とそうではない業種がはっきりしてきた。
 25%抑制の一律規制では経済への影響が大きいので見直しの必要があるかもしれない。
 オフィスビルなど業務用電力の節電には一段の対策の余地がある」
との見方を示す。

 経済産業省が12日に業界団体向けに開いた需給対策の説明会では、複数の企業が入居するビルオーナーに電力抑制の規制がかかってもテナントの節電を強制する手立てがないことが疑問視された。
 これを踏まえて松井氏は
 「ビル1棟ごと交代で休業を取るなど思い切った対策が必要になる」
と指摘している。  

 政府が8日に示した需給対策の骨格案で、産業界が注目しているのは、複数の企業でピーク電力の削減を融通し合う仕組みだ。
 経済産業省が制度の詳細を詰めているが
 「電力が余っている製品工場でも部品がなければ工場が動かせないので、サプイライチェーン全体の中で、電力抑制幅を融通し合えるのではないか」(JEITA半導体部会)
としており、実効性ある制度設計が求められている。





== 東日本大震災 == 



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