2011年4月18日月曜日

韓国古里原発

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● 韓国の原発


 日本海側に面する裏日本と韓国。
 ここで危険なのは「もんじゅ」と韓国の古里原発。


朝鮮日報 : 2011/04/18 10:22:32
http://www.chosunonline.com/news/20110418000030

一号機の再稼働を無期限延期=古里原発
調査範囲を電力供給施設からさらに拡大

 今月12日に電気系統で故障が発生し、稼働が中断した古里原発1号機について、韓国原子力安全技術院(KINS)は17日、原因調査の範囲を「故障した部位(電気装置)」から「原発全体の安全点検」へと大幅に拡大すると発表した。
 この結果、原発が再稼働される時期も無期限延期となった。

 古里原発1号機は12日、電源供給スイッチの温度が突然上昇して破損し、原発全体の稼働が中断した。
 メーンスイッチが故障した場合に作動する予備スイッチも作動しなかったため、非常用ディーゼル発電機から電力供給を受けた。
 韓国水力原子力は問題となったスイッチを交換し、15日にKINSに安全点検を依頼した。これを受けてKINSは16日から点検作業を行っている。

 今回の点検でKINSは、調査範囲を故障した電源装置に限定せず、原発全体に広げることを決めた。
 まず故障した箇所に関しては、交換されたスイッチがしっかりと機能しているか、同じメーカーが納品した別のスイッチは安全かどうか、さらに予備スイッチはなぜ作動しなかったのか、などについて調査している。
 ここからさらに、事故発生前後に原子炉や冷却装置を含むすべての機器に問題がなかったか、また異常が発生した場合の作業員の対応も適切だったかなども、調査する方針だ。




朝鮮日報 : 2011/04/19 12:55:59
http://www.chosunonline.com/news/20110419000050

【社説】原発事故後を生きる国民と以前のままの政府

 釜山市郊外にある古里原発1号機で稼働中断トラブル(12日)が発生した翌13日、韓国水力原子力(韓水原)は「15日午後6時から再稼働する」と発表した。
 しかし発表に先立って韓水原は、原発の安全性について原子力安全技術院(KINS)と全く協議を行っていなかった。
 その理由について韓水原は
 「この種の些細な事故が起こった場合、通常3日後には再稼働してきた」
と説明している。
 しかし、KINSは今回の電力供給装置の異常だけでなく、原発全体に対する安全点検を行うと表明しており、稼働の再開が予定より遅れている。
 原発にトラブルが発生した場合、まずはKINSが安全状況について判断を下し、その上で教育科学技術部(省に相当)が再稼働するかどうかを最終的に決めることになっている。

 韓国の原子力政策は今、岐路に立たされている。
 原発に対する国民の視線は、福島第一原発での事故以前と以後では完全に変わってしまった。
 小さな事故でも敏感に反応するだけでなく、原発管理者の発表に対しても、どこか疑いの目を持つようになった。
 この不安定な状況の中、政府と原発管理者が知恵深く行動しなければ、韓国の原子力政策は今後も大きな壁にぶつかるだろう。
 国民が原発の安全性について十分な信頼を寄せることができない状況では、たとえ些細な検証手続きであっても、管理者はこれを絶対に省略してはならない。
 国民の疑惑の目がさらに膨らむ危険性があるからだ。

 韓水原による古里原発トラブルへの対応は、まさに無神経そのものだ。
 古里原発1号機はすでに設計寿命を過ぎた状態で運転している。
 福島第一原発1 号機も設計寿命を過ぎた直後に事故が発生した。
 福島第一原発での問題も踏まえ、釜山、蔚山、慶尚南道に住む住民は、古里1号機でトラブルが発生したとのニュースに極度に敏感な反応を示した。
 ところが韓水原は、今回のトラブルを「軽微な事故」として、当局(KINS)による安全性の検証という再稼働に向けた正式な手続きを省略しようとした。
 これでは国民の不信が高まるのも無理はない。

 古里1号機の稼働延長の決定を下すに当たって韓水原が点検を行う際、原子炉施設内ある
 監視用の試験試料を金づちでたたいて強度テストを行ったところ、
不適格判定を受けた。
 この事実はある国会議員によって明らかになった。
 この問題について原子力の専門家は
 「この破壊検査は予備的な検査で、これよりもさらに精密な超音波による非破壊検査によって、安全性に異常がないとの判定がすでに下されている」
 と説明したが、国民は納得しない。
 状況がそれだけ尋常ではないということだ。

 福島第一原発は高さ15メートルの津波によって非常用発電機が浸水し、冷却装置が作動しなくなった。
 古里原発は海水面から7.5メートルの位置にあるため、福島第一原発クラスの津波に備えるには、直ちに防護壁を建設しなければならない。
 女川原発も同じく津波の被害に遭ったが、福島第一原発とは異なり外部からの電源供給が3つのルートから行われていたため、電源が途切れることはなかった。

 しかし古里1号機は電力供給ルートが1つしかないため、複数のルートを直ちに設置することも必要だ。
 原子炉の非常用発電機がストップした場合に備え、トラックで運搬できる移動式の発電機も周辺に配備する必要があるだろう。
 日本では東北電力が非常用の移動電源車を7台配備し、関西電力は22台の移動電源車を配備した上、防護壁もさらに補強して高くし、非常事態に備えている。

 専門家はこれらの備えを「過剰な対応」と評価するかもしれないが、原発の安全性に対する国民の不安をやわらげるには、これ以上の対策を取ったとしても十分ではない。
 国民の誰もが
 「原発推進派は原子力産業をさらに成長させるべきという共通の考えを持ち、これに対するけん制やバランスが極度に欠けている」
という先入観を持っている現実があるからだ。

 われわれは、電力の34%を韓国国内にある21機の原発に依存している。
 2024年にはこれが35機、30年には40機にまで増え、
 原発への依存度も59%にまで高める計画だ。

 風力発電や太陽光発電にもっと力を入れるべきとの主張もあるが、これらは発電効率が費用の割にあまり高くない。
 原発は1機あれば通常で1000メガワットの発電能力があり、建設費用はおよそ2兆5000億ウォン(約1900億円)とされる。
 これに相当する電力を風力発電で確保するには、建設費は原発の3倍を上回る8兆ウォン(約6100億円)、同じく太陽光では20兆ウォン(約1兆5100億円)以上の費用を要する。
 原発を増やさなければ、電力の供給が行き詰まることも考えられる。
 
 しかし、原発建設は地元住民の理解なくしては不可能だ。
 江原道三陟市はかつて原発誘致の意向を明確にしていたが、江原道知事補欠選挙に出馬した与野党候補はいずれも原発の誘致に反対の声を上げ始めた。
 同じく誘致申請を行っていた慶尚北道盈徳郡や蔚珍郡でも、反対の声が高まるのは火を見るよりも明らかだ。

 福島第一原発での事故以降、政府は原発に対する追加の安全措置を行っていない。
 これは非常に憂慮すべき事態だ。原子力政策を担当する当局は、最も強力で最大限の安全対策を早い時期に実行に移さなければならない。
 国民が「福島第一原発での事故後」を生きている一方で、原子力政策の関係者は、今も「福島第一原発での事故以前」を生きているのでは、原発の未来は非常に暗い。


 これによれば韓国は現在、電力の1/3を原発に依存している。
 そして20年後には「依存度60%」にする予定だという。
 今後、どうなっていくだろう。
 韓国は日本の後ろを追いかけるような形で進んできている。
 日本は脱原発と大きくカジを切った。
 果たして韓国はそのカジがきれるだろうか。
 原発を推進していけば、韓国はエネルギー国家になれる。
 だが、その分非常時のリスクを背負いこむことになる。
 経済発展か、国民の危険度か、という選択になる。
 韓国民族の精神構造からいうと、やはり経済発展を望むだろう。
 韓国では原発は推進されていく確率が高い。
 もし、韓国で原発事故が起きたとき、その被害を最も大きくくらうのは日本である。
 福島が落ち着いたら、中国、韓国の原発事故への備えも必要になってくる。



中央日報 2011.04.19 10:28:32
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=139268&servcode=400&sectcode=430

部品すべて交換したというが…古里原発の非常発電機は33年前の製品


● 18日午前、釜山市機張郡長安邑(プサンシ・キジャングン・チャンアンウプ)の古里(コリ)原子力発電所1号機第1非常発電所。

 12日から稼動が停止している古里原発1号機内部に初めて外部の人が入った。
 古里原発と近い釜山市民らの不安感が高まると、許南植(ホ・ナムシク)釜山市長と釜山市庁関係者らが現場を確認するため同原発を訪れた。
 第1非常発電所は古里原発1号機の主電源に異常が生じた場合に電力を供給する予備発電所だ。
 12日から稼動が停止している古里原発1号機の故障原因となった遮断機もこの発電所の中にある。

雰囲気は緊張していた。
 第1非常発電所の中のディーゼル発電機は1978年に古里原発1号機竣工時に設置された英GECの製品そのままということが確認されたためだった。
 「部品をすべて交換し延長稼動が可能だ」
という古里原発側の説明とは違った。
 ムン・ビョンウィ古里原発第1発電所長は、
 「33年になるが規制機関の立ち会いの下、毎月1回ずつ定期的に点検しており何の問題もない」
と話した。

許市長は、
 「国民が不安に思う時期に古里原発1号機が停止した。
 心配しないよう完璧な安全対策が用意されなければならない」
と話した。
 これに対して古里原発のチョン・ヨンイク本部長は、
 「古里1号機の発電に必要な各種ポンプに電源を供給する第1遮断器内部の連結端子を固定するスプリングの張力が緩くなり接触抵抗が起こって焦げついたのが原因」
と説明した。
 また、
 「故障した部品を交換し、性能テストと安全検査まで終え稼動に向けた準備は完了した」
としている。

取材陣の質問が続いた。チョン本部長が答えた。

――1号機原子炉容器の再使用を便宜的に決めたのではないか。

  「原子炉容器は交換できない施設だ。
 使用継続の可否を原子力法に告示した手続きの通りに点検した結果、何の問題はなく再使用したものだ。
 衝撃試験と引張試験などをした結果規定強度の2.5倍という良好な条件が出てきたので再使用を決めた」

――古里原発の高さは津波に弱い構造ではないか。

 「津波は水深が1キロメートル以上の深い海で発生する。
 これまで東海岸に地震津波が起きても古里原発近海では33センチメートル程度の波が起きるだけと出ている。
 東日本大震災での津波を契機に気象学者らが細かく分析している。
 結論が出され次第対策を立てる。
 古里は津波より台風津波がさらに問題だ。
 海中に防波堤を設置することも検討している」

――1号機稼動停止(12日)後、再稼働時刻を15日午後6時と発表したがなぜ延期するのか。

 「われわれの考えで故障を直した後にKINSと教育科学技術部などの許認可手順を経て再稼働が可能な時期を言ったものだ。
 だが、政府は精密な安全点検の結果が出るまで再稼働を中断することにした」

 古里1号機の発電設備はわずか海抜7.5メートルの高さに位置している。
 原子炉の建物の前には波を抑える防波堤がない。
 すぐに海が広がっている。
 津波に対応できないということがわかった。
 許市長は、
 「日本で原発安全神話が崩れた。
 われわれもこの機会に稼動停止の原因を徹底して究明し完璧な安全対策を立てなければならない」
と述べた。



 朝鮮日報のコラムがありました。


朝鮮日報 : 2011/01/19 16:30:15
http://www.chosunonline.com/news/20110119000069

【コラム】「暖房天国」韓国

 厳しい寒さに見舞われる中、韓国では電力不足が問題となっている。
 停電が懸念されるほど電気暖房器具の使用が急増し、政府が暖房使用の自制を呼び掛けている。
 日本でも厳しい寒さが続いているのは同じだが、電力不足とは無縁だ。
 エネルギー消費を最低限に抑えている日本人の生活習慣のためだ。
 冬でもマンションなどの室内では半袖・短パンで生活する人がいる「暖房天国」韓国と比べると、度が過ぎていると思うほど日本人は冬を寒い中で過ごす。

 寒さに打ち勝つためのエネルギー節約商品も非常に多い。
 熱いお湯を入れる一種の保温瓶「湯たんぽ」は必需品だ。
 冬でも寝るときには暖房装置をつけず、分厚い布団の中に湯たんぽを入れて眠る人が多い。
 電磁波もなく、室内の空気の湿度を適度に維持し、健康にもいい、一石二鳥の暖房商品だ。
 湯たんぽはクマの人形など多様な形で売り出されており、子どもたちも人形代わりに持ち歩くほど人気がある。

 足の裏にカイロを貼って眠る人もいる。
 一種の発熱シートだが、夜寝る前に貼ると朝まで暖かく、健康にもいいという。
 「着る毛布」も人気だ。
 服型に作られた毛布素材の衣類で、リビングでテレビを見たり読書をしたりするときに役に立つ。
 テーブルに電気ヒーターと布団を加えて作られた「こたつ」も、日本人にとって冬の必需品だ。
 こたつに足を入れ、家族がテーブルを囲んで食事をすれば、家族のきずなも強まり、寒さも感じない。

 世界的なヒット商品もある。
 日本のユニクロと東レが開発した発熱下着「ヒートテック」は、体から発生する水蒸気を熱エネルギーに変換して発熱させる原理の商品だ。
 2002年に初めて発売され、全世界的なヒット商品になった。
 日本人なら誰でも1枚くらいは持っている、冬の必需品だ。
 エネルギー節約が習慣化している日本でなければ出てこなかった商品だ。

 国内総生産(GDP)に対する韓国の電力使用量(2008年基準)は、
 経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の1.7倍に達しているが、
 日本は 0.61倍にとどまっているという。
 それでも日本では昨年、エネルギー節約型商品を購入した消費者に購入価格の5%‐10%程度を還元する「エコポイント」制度を導入し、太陽光発電の普及を増やすなど、電力使用量をさらに減らしている。

 韓国政府は最近、電力危機を防ぐため、官公庁の室内温度を18度以下に下げ、暖房器具の使用を禁じる緊急対策を発表したが、きちんと守られていない。
 公務員は、18度以下に下げると寒くて仕事に集中できない、と文句を言うかもしれない。
 しかし、日本の家庭の平均室内温度は18度程度だ。

 記者も初めは東京の家がとても寒く感じられたが、日本人のように暖かい下着を着て靴下に室内履きを身に着けたら、それほど不便ではなくなった。
 東京の冬を経験した韓国人の中には、日本人を「貧乏くさい」と言う人もいる。
 しかしすぐ、日本人が貧乏くさいのではなく、韓国人が無節制だということに気付く。


 上のデータからいくと、韓国は日本より、GDP比較でいくと3倍近く電気を消費していることになる。
 豊かさになれた韓国では、オンドルと同じように原発は必需品なのかもしれない。
 原発全廃など、ちょっと無理なようだ。





[◆ その後]


東京新聞 2011年4月20日 00時58分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011041901001170.html

韓国の原発またトラブル 古里原発、今度は4号機

 【ソウル共同】韓国の原子力発電事業者「韓国水力原子力」は19日、南部・釜山市にある古里原発の4号機で同日、外部電源の供給が約1時間半にわたり中断するトラブルが発生したと明らかにした。

 非常用のディーゼル発電機が稼働して電力を供給し、4号機は運転を継続した。
 原発の安全性に問題はないが、作業員2人が感電し軽いやけどを負った。

 同原発では12日に、1号機が電源系統の遮断器故障で運転を停止するトラブルが起きたばかり。
 同社などによると、同原発は定期点検中の3号機と4号機が同じ系統の外部電源を使用。
 今月4日から停止中の3号機の機器に問題が生じ、4号機への電力供給にも影響を与えたとみられる。
 3号機は核燃料交換作業も行っている。

 約30年の設計寿命を延長している1号機については、老朽化による事故発生の可能性が高いとして、周辺住民らが裁判所に運転停止を求める仮処分申請を行うなど「廃炉」を求める声が次第に強まっている。

(注:朝鮮日報には載っていない)

 朝鮮日報に載った。


朝鮮日報 : 2011/04/20 09:16:38
http://www.chosunonline.com/news/20110420000028

古里原発、今度は4号機でトラブル
電源供給が一時中断

 古里原子力発電所(釜山市機張郡長安邑)で、1号機に続き4号機でも、軽率なミスで一時的に外部電源の供給が中断される事故が発生した。

 韓国水力原子力の古里原子力本部は19日、
 「同日午後1時43 分に古里原発4号機の一部設備で電源供給が断たれたが、すぐに非常用ディーゼル発電機が稼働した。原発の安全には異常がない」
と発表した。
 非常用発電機の稼働から約1時間半後の午後3時15分ごろには、外部電源が正常に供給されるようになったという。

 韓国水力原子力は事故の原因について
 「古里原発3号機内の電気設備を点検していた技術者が誤って高圧電線に触れ、接地(電流が地面に流れる現象)が発生して、外部電源供給スイッチが切れ、3号機だけでなく4号機の一部設備に対する電源供給が中断した」
と説明した。
 3号機は今月4日から、燃料交換と主要設備点検のため稼働を中断していた。

 古里原発3、4号機は一つの電力母線(外部電力を変圧器を通して原発に供給する電線)を使用しており、3号機の電源系統で問題が発生すると4号機でも電力供給が断たれる。
 韓国のほかの原発は、それぞれ異なる電線を使用している。
 ある原発専門家は
 「原発は安全が何より重要だが、一つの電線で2基に電力を供給するよう設計していること自体が、安全意識の低さの表れだ」
と指摘した。




朝鮮日報 : 2011/04/20 09:15:57
http://www.chosunonline.com/news/20110420000027

稼働中断した古里原発、安全対策の穴が明るみに
非常用発電機は2機とも浸水しやすい1階に設置
冷却水が通るチューブが薄く放射性物質放出の可能性も
水素爆発防ぐ装置は別構造の原発用

 今月12日に電気系統の故障が発生し、稼働が中断した古里原子力発電所1号機(釜山市機張郡)。
 原子炉自体は10年間の延長稼働に特に支障はないものの、安全設備は効果が疑問視され、大地震などの突発的な事故に十分対応できないことが分かった。

 韓国政府の原発安全点検団に加わった複数の専門家は19日、
 「古里原発に設置された水素制御装置や非常用発電機などの安全設備が、規格に合っていなかったり、適切でない場所に設置されたりしていた。
 大地震や日本の福島第1原発の事故を招いたような大津波、そのほかさまざまな突発事態にきちんと対応できないことが分かった」
と語った。

 古里原発1号機は、設計寿命の30年を迎えた2007年に稼働を停止する予定だったが、安全設備の補修と安全点検を行い、政府から10年間の稼働延長を許可された。

 点検団が指摘する代表的な問題箇所は、原子炉内部の水素を空気と反応させ、水に変える「受動自動触媒の再結合器(PAR)」だ。
 福島第1原発では、冷却水の不足で核燃料棒から水素が発生し、爆発事故につながった。

 点検団に加わったある専門家は
 「PARは2013-2014年から稼働予定の新古里原発3号機、4号機に設置するために取り寄せた。
 古里原発1号機は新古里原発3、4号機とは構造や大きさが全く異なる。互換性の実験もせずそのまま設置し、きちんと作動するかどうかは疑わしい」
と、無用の長物になる可能性が高いと指摘した。
 韓国の原発には別の仕様の水素制御装置があるが、PARに比べ水素除去効率が大きく落ちるという。

 非常用発電機の位置も問題と指摘された。
 古里原発では、地震や津波での停電に備え、2機の非常用発電機を設置している。
 点検団に参加した別の専門家は
 「日本の原発事故も非常用発電機が浸水したことから始まったが、古里1号機の非常用発電機はいずれも1階にあり、水に対して無防備な状態だった。
 浸水に備え1機は2階に設置すべきだが、なぜ全部1階にあるのかが疑問だ」
と指摘した。

 大型災害時に放射性物質が放出される可能性も提起された。
 古里原発1号機は原子炉内部から、加熱された冷却水を蒸気発生器のチューブに送り込む。
 この際、チューブ上部の水が温められて蒸気に変わり、電気を作るタービンを回す。原発事故に詳しい専門家は
 「チューブは熱をうまく伝えるために厚みを2ミリと薄くしているが、日本のように大地震が起きれば簡単に損傷し、放射性物質を含む冷却水が外部に排出される可能性がある」
と懸念を示した。







== 東日本大震災 == 



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